妊娠性歯肉炎について 船堀 歯科
投稿日:2020年4月3日
カテゴリ:歯科衛生士BLOG
一般に妊娠すると歯肉炎(歯周病)にかかりやすくなるといわれています。
これには女性ホルモンが大きく関わってくるといわれており、特にエストロゲンという女性ホルモンがある特定の歯周病原細菌の増殖を促すこと、また、歯肉を形作する細胞がエストロゲンの標的となることが知られています。
そのほか、プロゲステロンというホルモンは炎症の元であるプロスタグランジンを刺激します。
これらのホルモンは妊娠終期には月経時の10~30倍になるといわれており、このため妊娠中期から後期にかけて妊娠性歯肉炎が起こりやすくなるのです。
近年、さまざまな歯周病の全身への関与がわかってきました。
なかでも妊娠している女性が歯周病に罹患している場合、低体重児および早産の危険度が高くなることが指摘されています。
これは口の中の歯周病細菌が血中に入り、胎盤を通して胎児に直接感染するのではないかといわれています。その危険率は実に7倍にものぼるといわれ、タバコやアルコール、高齢出産などよりもはるかに高い数字なのです。
母子ともに健康な状態で出産できるよう、妊娠中は特に気をつけてプラークコントロールをすること、定期健診やメインテナンスに来院頂き、お口の中の状況を把握することが重要になります。
■ 他の記事を読む■